2023年の本拠地移転は、単なる引っ越しではなく球団経営の作り直しでした。両球場を知るファンの実感も交えて、何が変わったかを並べます。
球場の比較
| 項目 | 札幌ドーム(2004-2022) | エスコンフィールド(2023-) |
|---|---|---|
| 所在地 | 札幌市豊平区。地下鉄直結で市内から近い | 北広島市。札幌駅から快速16分+徒歩やバス |
| 構造 | 密閉型ドーム。人工芝。サッカー兼用の可動式 | 開閉式屋根。天然芝。野球専用設計 |
| 観戦距離 | 多目的設計ゆえ、フィールドと客席の距離が遠い席が多かった | どの席もフィールドが近い。野球を見るための設計 |
| 飲食・過ごし方 | 球場外に施設は少なく「試合を見て帰る」場所 | 温泉・サウナ・醸造所まで併設の「一日過ごす」場所 |
| 球団経営 | 球場は借り物。使用料を払う立場で球場収入は限定的 | 球団グループが球場を保有。飲食・物販・イベント収入が直接入る |
出典:エスコンフィールド北海道 公式サイト(ほかの出典は記事末尾に記載)
移転の本質は経営の独立
移転の最大の動機は、賃借人の立場では球場ビジネスの収益を取り込めないことでした。自前の球場を持ったことで、観客1人あたりの売上を球団の投資余力に変換できるようになり、それが山﨑福也のFA獲得やレイエスの厚遇といった補強の変化(年俸構造の記事)につながっています。アクセスの不便さという代償を払ってでも取りに行った構造転換で、新駅開業(目標2028年)でその代償も縮んでいく計画です。
プレー面の変化
天然芝と野球専用の広い空間は、守備の質がそのまま出る環境です。外野の守備範囲や打球判断の巧拙が勝敗に直結するようになり、万波の強肩や五十幡の走力といった身体能力型の選手の価値が上がりました。素材型を集めるこの球団のドラフト思想(参照)と新球場の相性は、設計時の想定以上だったかもしれません。